く ち び る


どうしても話そうとしてくれない先輩

どうしたら話てくれる?


「先輩、私じゃ頼りないですか?」

「そんな事ない」


「私じゃ話せないような話ですか?」

「話たって迷惑だと思う」


「そんな事ないですから!」



少し間があいて先輩が諦めたように息を吐き出した


「スズが‥
スズと、別れることになった」


「え?」


別れる‥?
先輩が、スズさんと?


「どうしてですか?」

「家の事情」


家の事情って、そんな今時‥


「どうしても別れなきゃいけないんですか?」

「‥あぁ」


どうしよう、どうしたらいい?

さっきまでバカみたいに浮かれてた頭が一気に冷めていく

浮かれていた自分がバカみたい


先輩が、悲しんでるのに
なのに何もできないなんて‥



「先輩、私にできる事ないですか?ギャグとか言ったら笑ってくれますか?」


「なら、そばにいてくれ。
今だけでいいから」



今だけじゃなくたって、ずっとそばにいてあげたい


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