く ち び る
沈黙が続く教室で私は激しく後悔していた
思い返せば‥
何てこと言ったんだ自分!
馬鹿にもほどがある
何が彼女にしてくださいだ
思い返せば思い返すほど後悔しかしない
口から出ていきそうになる溜め息をぐっとこらえる
ふと先輩が顔を上げて時計を見た
「先輩、もう大丈夫ですか?」
「ん‥」
会話が途切れてしまう
き、気まずいよー!
どうしよ、どうしよ、どうしよー!
「先輩、何か飲みますか?」
「いや、大丈夫」
「そう、ですか」
今すぐ走り出したい
此処から逃げ出したい気持ちを抑えてつける
バクバクとうるさい心臓
体験の時みたいに先輩の顔が見れない
落ち着けば、落ち着くほど焦ってしまう
「宮間、」
「っはい」
「さっき言ってたこと本気?」
「はい」
目は見れない
唇は困った風に苦笑い
あぁ、今もしかして迷惑かけてる?
「俺なんかでいいのか?」
「へ?」
「きっといっぱい弱音とか吐くし迷惑かけるぞ?」
先輩が言ってる事に頭が追いつかない
「俺でいいのか?」
ただ、その質問にだけは何度も頭を縦に振った
先輩がどういうつもりで私と付き合ってくれたのかは分からない
でも付き合うという事実がとても嬉しかった
「こんなんだけどよろしくな」
「こちらこそ」
きっと好きだから付き合ってくれるんじゃない
でも、もしかしたらいつかは‥
そう願うしか無かった