く ち び る
「さっきは自分からしてきたくせに恥ずかしいのか?」
「だって‥」
だってさっきは最後だと思ったから、勢いあまってしちゃったけど‥
今は顔が見えてるし、お互い好きだなんて分かって改めてするのはやっぱり恥ずかしい
「だって何?」
「何でもないです‥」
「そういえば、宮間っていつも俺の口見てるよな?」
また意地悪く笑う先輩
バ、バレてたー!
どうしよう、恥ずかし過ぎる!
顔にどんどん熱が集まっていく
名前の呼び方が戻ってしまったショックよりバレてたショックの方が大きかった
「真っ赤」
ツンと頬つつかれるが、私はほとんど放心状態
「な、抱きしめるけどいい?」
先輩の質問すら頭に入ってこない
頭はパニック状態で、どうしよがグルグル回っていた
そうしていたら前から抱きしめられた
「先輩っ?!」
「拒否んなかったお前が悪い」
え、何これ。
どういう状況!?
「なんかお前グルグル考えてるっぽいけどさ、別にどうだって良くね?」
先輩がやけに真面目な声で話し出すから私も考えるのをやめる
「とりあえず俺はお前が側にいてくれたら嬉しいんだけど」
その言葉に涙が溢れてきて、
抱きしめてくれている先輩の背に腕を回しシャツをグッと握る
「なあ、キスしていいか?」
返事の変わりに私は瞼を閉じた
2度目のキスは暖かくて優しくて、でもやっぱり涙の味がした