ショートストーリー
「あ、でも。」
彼女居るんでしょ?
という私の質問に、あいつは大笑いした。
時々電話をしていた相手は、5歳になる姪っ子だったらしい。
かなり好かれてて、勝手に将来の結婚相手に決められてるんだよ。
と、少し困って、でも嬉しそうに話してくれた。
「まさか彼女だと勘違いされてたなんてな。
お前もなかなかアホだな。」
あんなに素敵な笑顔で話してたら誰だって勘違いするよ。
そう言いたかったけど、なんだか恥ずかしくて言えなかった。
「ありがとう。」
「ん?アホって言われたことに感謝してんの?」
「違うよ。
あたしのことを好きになってくれてありがとうってこと。」
「……。」
「もしかして照れてる?」
「悪いかよ。」
「ううん。可愛い。」
「可愛いって何だよー。」