ショートストーリー
この一年間、一度も会うことはなかったのに。
こんな偶然なければよかった。
まるで何かのベタなドラマのように、反対側のホームに立つあなた。
こっちを見て欲しい。
私に気づかないで。
矛盾した気持ちが同時進行してる。
どうしよう。
どうしよう。
もしもあなたが、こっちを向いたら?
目があってしまったら、私はどうすればいいのだろう?
私には乙女さのかけらもないはずなのに。
どうしてだろう。
すごく焦ってる。
気になる。
視界に少しだけ入ってくるあいつ。
いや、私がわざと視界に入れているのかもしれないけれど。