ショートストーリー
「あっ!」
驚いた表情でこっちに走ってくる彼。
「す…すいません。」
顔が真っ赤だ。
「いえ。
あの、これって?」
「えっと…
すいません。
これ、あなたです。」
「あたし…ですか?」
「はい。
あ…あの!
一目惚れしてしまって。
あなたが好きなんです。
あまりに綺麗な顔で笑うから、どうしても絵に描きたくなってしまって。
あの…本当すみません。」
その時の彼が優羽だった。
優羽の申し訳なさそうにうつむく顔を今でもよく覚えてる。
その顔は絵に描いたように綺麗な顔で、本当は怒ってもいいくらいだったのに、不覚にも胸がときめいてしまった。