ショートストーリー
――俺とデートしましょう。
思考が追いつかないまま、自称“妖精”に無理矢理連れていかれた先は、お世辞にも綺麗とは言えない遊園地。
「デートといえば遊園地!」
興奮ぎみにそう言うほどテンションがあがった自称“妖精”。
妖精のキャラクターを忘れてはしゃぎまくってる。
「なんでよりによってこんなボロいところなの?
てかあんたは誰なの?」
「だから、妖精だってば。
せっかく来たんだから楽しもうよ。
何に乗る?」
自分のことを妖精だなんていうあいつもかなり変な人だけど、その変な人に付いていくなんて、その時の私は相当変だった。
もしかしたら妖精の魔法にかかってしまっていたのかもしれないけれど。