ショートストーリー
 
「あ、言いそびれてたけど、別にあたし振られてないからね。」

「え?そうなの?」

「だけど浮気されてた。
だからもう別れるよ。」

「そっか。
じゃあさ、君が彼にきちんとさよならを言えたら、今度は二人で水族館に行こうよ。

新しい恋が必要でしょ?」




なんで水族館なの?
って聞いたとしても、「デートといえば水族館でしょ」って言われることも。

新しい恋の相手が誰かってことも。

私が一番よくわかってた。


だから何も言わずに、ただ素直にうなずけた。


その時のあいつの嬉しそうな顔は、本当に妖精なんじゃないかと思ってしまうくらいに、キラキラしていた。
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