ショートストーリー
 
清々しい朝の登校。



…を邪魔する足音がだんだんと近付いてくる。

これは絶対にあいつだ。




「加恋っ!
なんで俺のこと待ってくれないんだよ。」

「なんで待たなきゃいけないのよ。」

「お隣さんなんだし、加恋は俺の運命の人なんだし、一緒に行くべきだよ!」



朝からテンション高すぎ。



「いつからあたしは直人の運命の人になったのよ。」

「そりゃあもちろん生まれた時から。」

「大迷惑。
ていうか離れて歩いてよね。」


「あ、待ってよ。
走ったから髪型が崩れちゃったじゃんか。

ほら、俺は加恋の王子様だから常にかっこよくなきゃいけないからね。」

そう言って鏡を取り出すあいつ。



「一生髪型ばっかり気にしてればいいのよ。
バカナルシスト。」
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