ショートストーリー
 
家が隣同士だからってだけでなんでこんなにつきまとわれなきゃいけないのよ。



直人は超がつく程のナルシスト。

しかもくやしいのが、直人は本当にかっこいい。

背は高くてスタイルもよくて。
目や肌なんてあたしよりも綺麗。


だから、何もかも人並みなあたしは隣りに並ぶのが嫌なのだ。


なのにあたしはいつも、あのバカに振り回される。



この間、4歳になる親戚の子が遊びに来てた時だって――





「ねえねえかれんちゃん!
かれんちゃんとなおとくんはこいびとどうしなの?」

「へっ!?」



「俺らラブラブだもんなー。」

声のする方に振り向くとそこに居るのはお隣のおバカさん。


「ちょっとあんた。
子供に嘘をつかないでくれる?」

「嘘じゃないよ。
加恋の恋って字と直人の人って字を合わせたら“恋人”になるだろ?
俺たちってやっぱり運命だよな。」

「なにそれ。
意味わかんない。」


そんなあたし達のやりとりを見ていた親戚の子が

「あー!
らぶらぶだー!」

って。


「どこがなのよっ。」

もうっ。
直人のばかやろー。
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