ショートストーリー
「うわー!
相変わらずいい眺め。」
「ここに来るのすっげえ久しぶりだよな。」
そう言ってあなたはあたしの手を握ってくれる。
学生の頃、あなたの行動ひとつひとつにドキドキしていた。
あなたと居る時はいつも頬が熱かった。
ふと、そんなことを思い出した。
――そういえば、初めてあたし達がキスをした場所ってここなんだよなあ。
心の中でそうつぶやいた時。
「覚えてる?
ここって俺たちが初めてキスした場所なんだよ。」
驚いた。
あたしが思ってたことをあなたも思ってたなんて。
「あたしも今ね、同じこと思ってたの。」