ショートストーリー
 
目が覚めた。


「夢の中でもあいつに届かないのかよ。」


なんて独り言を言いながらベッドから出る。

これは、この夢を見て泣いてしまった自分をごまかすための独り言。





彼女と別れたのはちょうど一年前の今日だ。


12月24日。


幸せそうな世間とは裏腹に、俺も彼女も泣いていた。



大好きだったのに。
大切だったのに。

どこで間違ってしまったんだろう?

ずっと一緒になんて居られなかった。



彼女は涙でぐしゃぐしゃになった顔で別れの言葉を残して去って行った。
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