ショートストーリー
 
「あれからもう一年か…」


久しぶりに見た彼女の夢。

今日は皮肉にも仕事が休みなことだし。
ひとりぼっちのクリスマスイブを、俺は彼女と最後に会った公園で過ごそうと思った。



途中で彼女が好きだった温かいカフェオレを買って。

たわいない話をしながら歩いた道を、今度はひとりで歩く。


たどり着いたそこは、以前より少し寂しくなったように感じた。



積もっている雪をそのままにしてブランコの上に座る。


「冷てっ。」



俺と彼女が別れた一年前は、雪なんて積もっていなかったのに。

今年は雪が降るのが早いんだな。

気温が低いんだろうか。

あ、じゃあ今年はホワイトクリスマスか。


そんなとりとめのないことを考えながら、少し冷めてしまったカフェオレを飲んだ。
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