ショートストーリー
 

初めて会う実和の母親は、驚く程に実和と雰囲気がそっくりだった。



「ずっと伺えなくて、すみませんでした。」


「いえ。
きっと実和も喜んでいます。
時々電話をするとね、いつもあなたのことを話していたんですよ。

すごくすごく、大切な人だ、って。
お母さん達にも自慢できる彼氏だよ、って。」




「…え?」


「思っていた通り、素敵な方ですね。」







気づいたら、涙が流れていた。



約束も守れなくて、不甲斐ない俺を、大切だと言ってくれた。


俺にとっても、君はとてもとても大切な、自慢の彼女だよ。

きらきら笑って、いつも楽しそうで。

幸せの中心には今も君が居るんだ。
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