スキ*キライ【1】
「な、んです…か」
「いゃ、ぁあ……まじ?」
「恥ずかしながらまじです……」
「なに。なんか理由でもあるのか?昔変なヤツに無理矢理されそうになったのがトラウマで……みたいな?」
さ、佐野先輩想像力豊かですね、とても。
「いや、そういう訳じゃないんですけど……」
うーん、、。
「付き合った人にされそうになったことは何度もありました。でもなぜか反射的によけちゃうんですよねーあたし」
それでヤバくなったときもあったし…。
あたしは要のことを思い出して少し青ざめた。
先輩がいなかったらあたしは……。
あんな先輩でも役に立つことはあるんだよね。
「ふーん…そっかそっか」
佐野先輩はなるほどといったような様子で腕を組む。
そして
「もうひとつ聞いていいか?」
真剣にそう言った。