スキ*キライ【1】




「真剣に聞くから真剣に答えてほしい」

「え…ぁ、はい」

何を聞かれるんだろう。

緊張で思わず唾を飲んだ。

しかし、されたのは拍子抜けの質問だった。

「葉山のことどう思ってる?」

「へ?」

「本当はどう思ってんだ?」

「え……」

なんでそんなこと聞くの……?

告白の時も言ってたけどあたしは……。

「なんとも思ってませんよ」

佐野先輩にとびっきりの笑顔で微笑んだ。

ほんとになんとも思ってないよ、先輩のことなんて。

「俺、真剣に聞くから真剣に答えろっていったよな?」

「っ……。し、真剣に答えてます!本音ですよ!!」

「じゃあなんで作り笑いすんだよ」

「……別に、そんなつもりじゃ…」

佐野先輩に痛いところをつかれて俯く。

「……ごめんなさぃ」

あたしは最低だ。



< 113 / 201 >

この作品をシェア

pagetop