スキ*キライ【1】
「真剣に聞くから真剣に答えてほしい」
「え…ぁ、はい」
何を聞かれるんだろう。
緊張で思わず唾を飲んだ。
しかし、されたのは拍子抜けの質問だった。
「葉山のことどう思ってる?」
「へ?」
「本当はどう思ってんだ?」
「え……」
なんでそんなこと聞くの……?
告白の時も言ってたけどあたしは……。
「なんとも思ってませんよ」
佐野先輩にとびっきりの笑顔で微笑んだ。
ほんとになんとも思ってないよ、先輩のことなんて。
「俺、真剣に聞くから真剣に答えろっていったよな?」
「っ……。し、真剣に答えてます!本音ですよ!!」
「じゃあなんで作り笑いすんだよ」
「……別に、そんなつもりじゃ…」
佐野先輩に痛いところをつかれて俯く。
「……ごめんなさぃ」
あたしは最低だ。