スキ*キライ【1】
「おいどうした?」
「……」
会計を終えた佐野先輩は
あたしの目線を辿って同じように外を見た。
「なんだあれ……って日向!?」
あたしは無意識に走り出していた。
が
「待てって!」
すぐ追いかけてきた佐野先輩にあっけなく捕まった。
「佐野先輩離して、!」
「日向!落ち着け!!」
「だって…!!」
「今は俺とデート中だろうが!!」
「……!!」
ハッとした。
なに、やってんのあたし…。
でも、でも…。
先輩が知らない女と一緒にいる姿に
落ち着いていられなかったんだよ…。