スキ*キライ【1】
『………』
「ひ、日向?」
恐る恐る日向を尋ねる…。
『……10分』
「え?」
『10分以内に来ないとあたし変な男の人についてっちゃうんだからね!!』
「!!」
プツ――プープープー…
「日向…!」
言いたいことだけ言って切られた電話。
なんだったんだ。
日向はなにを考えて
オレに電話してきたんだ…?
いろいろ疑問は残ってるけど
やるべきことは決まっている。
「やっと終わったの?続き…「すみません!オレ行かなきゃ」
ミホさんの腕を解いてオレは玄関に向かう。
「ちょっと!廉君!」
「ミホさん」
追いかけてくるミホさんに言った。
「カラダ。もっと大事にした方がいいですよ」
「え…「あ、それと…」
オレは靴を履いてドアノブを握って振り返らずに言った。
「オレ、童貞じゃないんで」
「ええ!?」
ガチャ
早く日向のとこに行かないと…!