スキ*キライ【1】
先輩はあたしにとってただの先輩で
うざくて、デリカシーなくて
バカでアホで誰にでも優しくて
あたしは先輩が大キライだった。
でも、本当は大キライって思いたかったのかもしれない。
気づいたら隣にいて
いっつもニコニコ笑ってて
あたしも楽しいときもあって
なにかあったら一番に駆けつけてくれて
嫌みなこと言ったりするのに無駄に優しくて
そしてあたしを、
誰よりも大切に想ってくれてる。
だからあたしは本気でキライにはなれなかった。
うざいよすごく。
だけどキライじゃない。
そんな不思議な先輩の存在。
あたしにとって先輩は
いつのまにかただの先輩から
葉山廉
という一人の存在に
変わっていたのかもしれない…。