スキ*キライ【1】
「日向!?泣いて……!」
なんで気づくの…そんなこと。
もう完璧に泣き止んでたのに。
「お前らが日向を……!?」
「は?」
「なんだよ、お前」
今にも殴りかかりそうな先輩に
男の人二人は先輩を睨み付ける。
先輩らしくないよ。
それに泣いていたのはこの二人のせいじゃない。
「日向、行こう」
少し深呼吸して落ち着く先輩は
冷静になって言った。
「行くってどこに…」
「いいから!!」
無理矢理引っ張られた左手は
先輩の大きな右手に握られている。
……!
「やめてください!!」
バッと勢いよく振り払った。
「日向……」
「あなたなんかキライです!!大キライ!」
他の女の人に触れた手で触んないでっ……!!