スキ*キライ【1】
「ははっ、大キライだって~!振られちゃったねぇ」
「この子は今から俺らと遊ぶんだから邪魔すんなー」
今度はナンパしてきた男の一人に腕を捕まれた。
「はっ!ちょ!!」
なにすんのよ!!
パシッ
先輩は男の掴んでる方の腕を掴んだ。
「痛……!」
「離せ」
「っ……わぁったよ……」
男はあっさり手を離した。
え?
あたしまで呆気にとられていると
先輩は今度こそ振り払われないように
あたしの手を強く握って早足で歩いていく。
どんどん先に進んでく先輩。
どこに向かっているのかもよくわからない。
ただ黙々と無言で前に進んでく。
「…い、痛いよ先輩!」
すると、
やっと立ち止まって
「ごめん……」
そう呟いた。