スキ*キライ【1】
両想い?心の答え
「いや、死ねはなかったよね、死ねは」
翌日。
先輩が家に来る前に学校へダッシュし、
いろいろ後悔してるあたしは
昨日何があったか岬とヒメに
おおまかに説明していた。
「死ねって言ったの?葉山に??まぁいいんじゃない?いっつもなにかと言ってんじゃん」
「それより、大大大、大キライの方が気の毒だと…」
「……だって、だってさぁ」
先輩が浮気みたいなことしてたのが
ほんとーに頭に来ちゃったんだよ!
なんて、言えないんだけどさ…。
「いやいや、佐野が一番気の毒だって!あんた結構気がある素振り見せてたじゃない?それで振るって…まぁ仕方ないんだけどさ」
う…。
さっきから話しているとどんどん気持ちが沈んでいくあたし。
いや、自分でも思うもん。
あたしってとことん最低だなって。
「ていうか、私ら的にはあんたが佐野を振るのはまぁわかってたわけ。最初からね。それなのにデートにいくんだもんなー」
「なによそれ…」
あたしはこれでもちゃんと考えてたんだよ?
最初からわかってたってどういうことさ。
「日向ちゃんって、ほんとに鈍感なんだと思う」
鈍感とか、ヒメに言われたくないしー。
「いや、この子の場合は」
岬ははっきり確信を持ってこう言った。
「気づかないふりしてるだけ」
「……」
気づかないふりなんて…してないし。
「自分の中で答えは出てるくせに、それを認めないでなかったことにしようとするのに必死なんだよ。要するにバカってこと」
「なっ…違うし」