スキ*キライ【1】
「違うくないでしょ。あんた本当はもうわかってる」
「違うってば」
「違うくない!」
「違う!」
「違うくない!!」
「違う!!」
なによ!あたしのことなんでもわかってるみたいに!!
岬とあたしの違うか違うくないかの言い争いは
まだまだ続き、数分後…。
「違うくないっていってんでしょーが!!」
「こっちだって違うっていってるじゃん!!」
「ちょ、ちょっと…二人ともそこまでに…」
ヒメもさすがに見てられなかったのか
止めにはいってきた。
「じゃあ何が違うのよ!!?」
そして次の一言で長い言い争いの勝敗が決まるのだった。
「あたし、先輩のことスキじゃないもん!!!」
もうすぐ朝のホームルームが始まる教室。
先生はまだいなかったが
あたしの大声にみんながあたしを見た。
「ほら、そういうことなのよ、ヒメ」
呆れ半分誇らしげに岬は言った。
「あー…ね」
それに頷くヒメ。
「なに!?」
あたしだけがまだなにもわかっていなかった。