スキ*キライ【1】





「岬のボケ…」

走ってたどり着いたのは
普段使わない非常口を出たとこにある階段。

「岬のボケ!!」

「いっつも一言も二言も多いよ!バカ!!


でもいつも岬の言うことは当たってるから。

「先輩なんてスキじゃ…」

本当は薄々…。

岬の言う通りなんじゃないかって…。


だってそうじゃないと
あんな風に佐野先輩を傷つけてまで
先輩を追いかけたりなんかしないんだ…と思う。

あたしの心が反対しても
勝手に体が動いてる。

先輩の方に。


佐野先輩も言ってたよね。

“体は心より素直”



そうだとしたらあたし…。

「!!?」

あぁもう…顔が熱い。

なによ…、これ…。
違う。違うの…。

「あぁあああっ!!もう!!」

ガチャ!!

突然開いた滅多に開かれないはずのドア。

「え!?」

驚いて振り向くと

「日向!」

な、なんで!?!?





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