スキ*キライ【1】






「日向、ごめんね」

そう言ってよしよしと頭を撫でることを繰り返す先輩。

「も、もういいです!いいですってばっ!!」

すると、先輩はちょっと離れてあたしの顔を確認すると

「だーめ。まだ泣いてるじゃん」

と言ってまた優しくなで始めた。

「な!?」

早く泣き止もう。
とにかく早く泣き止もう。

「な、泣き止んだ!先輩」

「ほんとに?」

もう一度確認する先輩。

あたしは完全に泣き止んでた。はず。

なのに

「ふ~ん、まだだめだよ」

またあたしを抱き締めた。

な、なんで!!?

こ、これ以上はさすがに心臓が持たない!!

「せ、先輩?どどどうしてっ」

ほんとに泣き止んだよ!?

「んー、ごめん。」

「な、なにが」

「たまには欲張らせて」

え?





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