スキ*キライ【1】





「わかった??」

「は、はい…」

階段に横並びに座ると先輩は話し出した。
昨日の出来事のすべてを。

「む、無理矢理!?」

すべてを知ったあたしは驚いた。

「うん」

「何その女…」

無理矢理って、そんな…酷い。

相当嫌な思いをしただろう。
あたしだってされそうになったことがあったからわかる。

ていうか、あたしの先輩になにしてんのよ!むかつく〜!!

そんな気持ちもあるけど
でもやっぱり
先輩が辛かっただろうと思うと
あたしまで辛くなってきて

「大丈夫、じゃないですよね」

「まぁ、でもオレは男だから」

へらっと笑うけど苦笑いにしか見えなかった。

「勘違いしてごめんなさい。てっきり先輩が…、!」

あたしがあまりにも振り向かないから
他の女の人に乗り換えたんじゃないかって不安になってた、なんて
そんなこと言ったら

まるであたしが嫉妬してるみたいじゃない

「オレが…なに?」

あ、でもあたしそれに似たこと言っちゃったんだ昨日!

「いや、あのっその…なんでもない、です」

それを思い出して恥ずかしくなった。

でも…

「合コンなんていってほしくなかった」

は!思わず口に出してしまった言葉に焦る。

この言葉も嫉妬に変わりない!!

あたしはまた赤くなった。

「ち、違うくて!あの」

そんな中、先輩はあたしの言葉にキョトンとして

「そうだね。合コンなんか意地でも行くべきじゃなかった。そのせいで日向を不安にさせたんだよな。ほんとにごめん」

反省する言葉とは逆に嬉しそうに笑ってた。






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