スキ*キライ【1】
「もう!今度はなに??」
尋ねると今度は苦笑いして
「オレのこと、大キライ?」
悲しそうにそう言ってきた。
「そ、そ、それは…」
あたしは、先輩のこと……。
「ん。それは、なに?」
ちゃ、ちゃんと言わなきゃ。
ちゃんと自分の気持ちに向き合うの。
あたしはもう、この気持ちの答えを知ってる。
それも本当はずっと前からあった気持ち。
認めたくなくて心の隅に隠してたんだ。
学校で一番可愛いあたし。
恋をするならイケメンってずっと思ってた。
でも、やっぱり顔だけじゃないんだよ。
心で感じなきゃダメだったんだ。
あたしは自分の胸に手を当てた。
心臓の鼓動がうるさいくらいだ。
これが、あたしの心の答え。
「あたしは、」
先輩に伝えないと。
先輩はいつも伝えてくれていた。
だから、今度はあたしが…。
“あたしは、先輩のことが…”