スキ*キライ【1】


日向side




「日向〜、あんたの大スキな葉山がよんでまっせ〜」

休み時間。

岬の言葉にチラッと教室のドアに目を向けると
あたしを待ってる先輩が見えた。

「し、知らない!そんな人」

あんなバカもう知らないもん。
ていうか、大スキじゃないし!!

あたしは無視して机に伏せた。

「葉山〜、あんたの大スキな日向はあんたのこと知らないってさ〜」

岬が先輩に向かって少し大きな声で言った。

すると、段々と足音が近づいてきた。

え、。

「日向、ごめん。今日一緒に帰れないってことだけ伝えに来た。それだけだから」

「え!?」

思わず伏せていた顔を上げた。

「あ、」

反応してしまった。
今日は絶対にしないって決めてたのに。

「やっと目、合わせてくれたね」

嬉しそうに微笑む先輩に
キューっと胸を締め付けられた。

「日向〜、ほい」

岬がニヤニヤしながら
あたしに手鏡を渡してきた。

どういうこと??

パッと自分の顔を見てみると

「!!」

びっくりするほど真っ赤だった。

な、ななにこれ!、
戻れ戻れ戻れーっ!!

「大丈夫?」

「こ、こここれは違うんだから!!勘違いしないでよね!!」

「えぇ?オレ大丈夫しかいってないけど!?」

「ひゃぁぁ」

自爆。

何言ってるのぉ〜!あたし!!
しっかりしろっ!!!




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