スキ*キライ【1】





「はぁ。あんなんに負けたかと思うと俺本当情けないんだけど」

「あはは…」

「でもまぁ…お前のことだから応援してやるよ」

「佐野先輩ぃ〜」

今こうして普通に喋れてるだけでも感動なのにぃ。

「ほれ、お前が見に来たんは俺じゃなくてあいつだろ?そんなキラキラした目で見んな」

さっきよりも小さな声で言った佐野先輩は
ある教室のドアをほんの少し開けた。

言われた通り中を覗くと

!!

女の子と本当に二人きりで勉強をしている先輩がいた。

「はい、これで俺の案内は終了。最近よく放課後二人きりでいるの見かけてたからさ、。このことで今日はこっちまで来たんだろ?」

「は、はい」

いつの間にか連れてきてくれたんだ。

本当いい先輩だなぁ。

「それにしてもなんで佐野先輩こんな時間まで残ってるんですか?」

「あー、テスト前だからかしんねーけどここ2、3日担任にめっちゃ仕事押し付けられてな。あいつほんと自分でしろっつーの」

「な、なるほど」

「じゃ、俺は案内も終わったし帰るんで」

「あっ、ありがとうございました」

するとニヤリと笑った佐野先輩は

「早く行け」

そういってあたしを
ガラッと大きくドアを開けて

「え?」

教室に押し入れた。

えっ、えええ!?!?

あたし盗み見るだけのつもりだったんですけど!?!?

嘘でしょ!?

もちろん、ドアが開いた音で
振り返る二人…。

「えっ、日向?」

ぎゃあぁああっ!!





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