スキ*キライ【1】





「はぁっはぁっ」

ここまで走れば追いかけてこないだろう。

先輩は追いかけてくる可能性があるからなぁ。

街灯も少なく人もいない暗い道。

あーあ、最近ずっと一人で帰ってるなぁ。

先輩のバカ。

絶対許さないんだから。

「それにしても静かだなぁ」

もう遅いからかな?
車も通らないし少し怖いな。

カシャ

「へ?」

なに?

気のせいかと思えば

カシャ

また聞こえたこの音…
シャッター音、?

へ!?
と、撮られてる??

違うよね??

一気に怖くなったあたし。

カシャ

怖い!!
誰かに見られてる!!撮られてる!!

ついて来てる!!

こんなに静かじゃなかったら
気づかなかった、!

もしかしたらずっと見られてたのかもしれない!!

一人じゃ危ない!

で、電話…。

かけようと取り出したはいいものの、

「なんでこういうときに使い物にならないの!?」

電池切れだった。

カシャ

ヒィッ!

怖い!!

あたしは走って家に帰ろうと思った、が、
家ばれたらやばいんじゃない!?
そんな思いがあってできないでいた。

もしかしたらもうばれてるかもしれないけど
ばれてなかったらやばい。

家を知られたらもっと酷い展開になるかもしれない。

こう考えてる瞬間も
ずっと、見られてる…。

「せ、先輩ぃ」

とりあえず明かりがある
人が多いところへと
あたしは足を早めた。




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