スキ*キライ【1】
♪〜♪♪
必死に匂いを辿っていると
オレの着信音がなった。
朝日か?
もしかして見つかったか!?
と思って携帯の画面を見ると
非通知
そんな文字が浮かび上がっていた。
非通知!?
恐る恐る電話に出ると
『先輩ぃ、』
オレを呼ぶ日向の泣き声が聞こえた。
「日向!君今どこに…」
『うぅっ、駅近くのコンビニ前の公衆電話のとこぉ』
駅の方まで行ったのか!
「わかった!すぐにそっちに行く!!だから外にいないで危ないからコンビニんなかにいるんだよ!?」
『うん……わかった』
グズグズいう日向は
さっきよりは落ち着いた声だった。
「じゃああとで!」
電話を切ってオレはまたすぐに全力で走り出した。
日向が泣いていた。
やっぱり何かあったんだ。
バカだった。
なにがなんでも日向を一人にするんじゃなかった。
後悔ばかりしても仕方ない。
今は、一刻も早く
日向を抱きしめて安心させてあげるんだ。