スキ*キライ【1】
「てか、いい加減に離してください!」
「えぇ〜やだなー」
「うるさい!このっ浮気者!!」
「はいぃ!?」
あっ、。
「浮気してないよ!?オレ!この通り日向一筋だよ!?」
「ていうことは、ちゃんと振ったんですね」
「当たり前」
はぁー。よかった。
「でも、先輩。鼻の下伸ばしてめっちゃ照れてたでしょ!」
「そ、そんなことないって!」
「ある!!」
「オレの一番は永遠に日向だよ!?」
「当たり前です!てか二番いたらぶっ飛ばす!!」
「…ごめん、言い方間違えた」
突然真剣な表情をした先輩は
あたしを見つめる。
な、なに……。
先輩があたしの瞳をとらえた。
顔近いし恥ずかしいのに
そらすことができない。
先輩はすごく緊張してるみたいで
すうっと息を吸ってこう言った。
「オレがスキなのは日向だけ。今も、これからも。それはずっと変わらない。心から誓えるよ」
「先輩…」
「だから一番とかそういう順位はないんだよ。本当に日向だけがオレの特別」
特別、か。
ヤバイ、にやける。
心臓がバクバクしてる。
先輩をスキなのが心の中で溢れてる。
先輩がまた抱きしめて
「スキだよ。大スキ」
なんて言うもんだから
あたしもって言いたくなる。
「嘘。本当は大スキ以上」
嬉しすぎてまた涙が出そうだ。
もう、どんだけスキなのよ、バカ。
いつか、いつかちゃんと
あたしから気持ちを言える時がきたら
今度は大きな声で
先輩にも聞こえる声で言うから。
“大スキ”って。