スキ*キライ【1】
指切りした約束
翌日、土曜日。
あたしは朝からバタバタしていた。
「お前…廉のことスキだろ」
カランッ
「はっ!?はぁ!?」
兄ちゃんの一言に驚いて
落ちた調理器具。
「違うし!やめてよ!そういう勘違い!」
慌てすぎて真っ赤になって
反論していることに気づかない日向。
兄、朝日にはバレバレだった。
「ふぅーん、じゃあなにしてんの?」
兄ちゃんがニヤニヤしながら聞いてくる。
キモイ!ほんとやめて!
「別に!こ、これは昨日のお礼にと思っただけで」
チンッ
「おー、焼けたみたいだなぁ、お前の愛のこもった手作りクッキー♡」
うぜぇ、兄貴うぜぇ。
こんなにもうざいと久々に思った。
オーブンから取り出したのは
動物の型で可愛く型取られた
プレーン、ココア、抹茶と三色のクッキー。
よし、綺麗に焼けた!
ええっと、今の時刻は…11時前か!
「廉来るの昼過ぎだろ。何そんな慌ててんの」
「慌ててなんかない!」
いちいちうるさい兄貴だな!
あたしはクッキーをお皿に移して
そのまま冷ましておいた。
そして服を着替えるために
一旦部屋に戻ってきた。
な、なににしよ。
どんなのがいいんだろ?
あたしは服を手にとっては
鏡で確認することを繰り返す、。
「うーん、」
そう、今日は先輩がウチへ来るんです。