スキ*キライ【1】
先輩は食った。
あたしの手を丸ごと。
「「!?!?」」
そしてもぐもぐしてる。
「お、おい……れ」うまっ!!」
焦る兄ちゃんの声などもはや聞こえていない。
目を輝かせて興奮してる先輩は
調子に乗って勢い良く抱きついてきた。
「……」
「日向〜!!オレのためにサンキューなぁ♪日向の手作りとか一生ないって思ってた!!!」
「……」
まさかの出来事にまだ唖然としてるあたし。
手、、食べられ…い、いやない。
ないない、ありえないよ。
あたしの手まで食べるなんてそんな……
…… ハッ!!
「先輩のバカァァァアアッ!!!」
やっと戻ってきた(?)あたしは先輩の腕を振り切って
バチンッ!!
食べられた方の手で先輩に
思いっきり平手打ちを食らわせた。
「いっ!?!?」
昨日まで安心していた腕の中も
やはり変態ストーカー不審者なのだと
再確認したのだった。