スキ*キライ【1】
「……い、おいっ」
「っへ!?うぁ?!」
な、なに!?
突然後ろから声かけないでよ!
「ぁっ、ああ!兄ちゃん!」
なんだっ、兄ちゃんか!
無我夢中で勉強してたから全然気づかなかった!!
「廉、便所行ったみたいだから言うけどもう18時過ぎてるぞ」
「へっ?トイレ??」
いつのまに!?
って18時!?
「あーー…、その様子だと休憩もなしにずっとこうしてやってたようだな。すごい集中」
「いや、あははっ……」
「廉、疲れてんじゃねーの?」
そ、そりゃそうだ!!!
あたしってば、!あぁっ、もう!!
そして、先輩はトイレから戻って来た。
「あ、朝日出てきたんだ」
「おー」
休憩もせず先輩を振り回した。
うーー、最悪だなー。
「あのっ先輩!ごめんなさいっ。そろそろ……」
「え?あーもう18時かぁー」
リビングの時計を見て先輩が言う。
うぅ、そうなんです。
お昼から無我夢中になりすぎた。
「すごい集中だったね」
先輩が笑ってそう言うから
「えへへ…」
なんだか褒められたようで
嬉しくなった。
「廉、晩飯食ってくか?」
「飯!?食う食う!」
腹減った〜ってあたしの顔見て言う先輩。
え、なに。ほんと休憩もなしにごめんね!?
「日向が作るんだろ!?」
「は?」
あーー、先輩がこっち見て言った意味が
よーくわかりましたよ。