スキ*キライ【1】






「佐野先輩、こんにちは」

あたしはいつも通りの笑顔を振る舞う。

「よっ」

同じように笑顔を向けてくれるのが佐野康太先輩。

あのバカ先輩と同じく2年の先輩だ。

ちなみに兄ちゃんと競えるほどのイケメン。

兄ちゃんをカッコいいと思ったことはないが佐野先輩は本当にカッコいい。

「で、今日はどうされました?」

そう言うとちょっと照れ臭そうに

「あー日向に話あんだよ。わりぃけど放課後屋上な」

と言われた。

「え、あ、はいっ。了解です」

「んじゃ約束だからな」

それだけ言うと笑って佐野先輩は戻っていった。

いったいなんなんだろう?

メールも電話も毎日しあってた仲ってわけでもない。

んー…ちょっとこわいなー。




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