スキ*キライ【1】





たまんなくなって、

「せんぱぃ、あの…今度また「おーい、もう出来んぞーこっちこーい」

あ……。

兄ちゃん…、本当タイミング悪い。

肝心なとこ言う途中で遮られてしまうとは。

「聞いてんのかーー?」

「ああっはいはいはい!聞こえてるってば!」

仕方ないから立ち上がろうとすると

「きゃ」

阻止された。先輩に…。

「今度また、なに…?」

強く抱きしめながら先輩はそう言った。

えっえっええ!?!?

「せ、先輩!兄ちゃんに見られちゃいますー!」

「ふーん…関係ないよそんなの」

「ええっ、やだやだ恥ずかしいょ!」

「恥ずかしいの?」

「うぅ、」

わかったなら早く離してよぉ。

「なぁ、恥ずかしいから嫌なの?」

確かめるように先輩は聞いてきた。

「そうです…!お願いだよぉ、先輩…!」

すぐさま答えたあたしに
黙りこむ先輩。

「せんぱ「……尚更離したくなくなったんだけど」

「えっ!」

なんで!?どうして!?

全くもって意味がわからない!

「スキだよ」

なんで甘々モード全開になってんの!?

ドキドキなんかじゃなくて
もはやバクバクとうるさい心臓。

き、聞こえちゃう!先輩に!

「せ、先輩のバカァ…!本当にバカァ!」

恥ずかし過ぎて、顔を見られたくなくて
先輩の胸元に埋めた。

「おいお前らあー!………なにしてんだ」

もぉ、やだ…先輩のせいだ、
バカヤロー…。



< 191 / 201 >

この作品をシェア

pagetop