スキ*キライ【1】





「せ、先輩?大丈、夫?」

俯いた先輩に声をかけると

「…大丈夫じゃない。……日向のバカ」

「え!?」

初めて先輩にバカ呼ばわりされた!

ガバッと顔を上げた先輩は
さっきよりもすごく真っ赤で焦ってた。

「バカ!あのままキスしてたらどうするつもりだった!?」

「そ、れは…」

「オレだって男なんだからな!?次そんなことしたら本当に………」

途中で話すのをやめた先輩は

ギュッ

きつく優しくあたしを抱きしめる。

先輩の小さく吐いたため息が
耳にあたってくすぐったい。

そして先輩は続けて囁いた。

「……キスするよ」

「っ!!?」

耳元で言われたそんな甘ったるい台詞。

その一言であたしの心臓が潰れそうになった。

「あんな顔、誘ってるようにしか見えないよ?バカ日向。オレ以外の誰にも見せんな」

「は、はぃぃっ」

おそらく物凄く真っ赤な顔。

さっきからずっとドキドキしてる胸。

絶対先輩に気づかれるよ!って
焦ったりするけど
気づかれてもいいかもなんて、
思っちゃったり…
矛盾した感情がうずまく。

「気をつけてね。オレ、日向がスキすぎて無理矢理にでもしたくなっちゃうから」

ぁぁああぁあっ!!

バカはやっぱり先輩の方だよ、!!

一瞬、。
無理矢理でも、いいかも、、なんて
思ってしまった…。

あたしをこれ以上…
おかしくさせないでっ、先輩…!




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