スキ*キライ【1】
先輩の教室の前まで来たのはいいけど
上級生の教室は
やっぱり勝手に踏み込みにくいから
「あのぉ」
近くにいた誠実そうな男の先輩に話しかけた。
「え、あぁっ俺??」
「はい!あの葉山先輩呼んでくれませんか?」
「あーー、ごめん。あれを割って入んのちょっとキツイかも」
「え?」
あれってなに??
「ほら、みてみなよ」
「ん〜、あ…」
チラッと教室を覗くと
ウチの兄ちゃんと深刻そうな顔をして
話し込んでる先輩がいた。
あの空気はヤバイ。
話しかけんなオーラというか
話しかけちゃダメなのが凄いわかる。
「…そ、そうですね。あれは無理っぽいですね」
困ったな、。
それにしてもなに話してんだろ。
そう思ってると
「俺が呼んでやっから」
後ろから佐野先輩の声が聞こえた。
「佐野先輩!」
本当にいつも助けてもらってる気がする。