スキ*キライ【1】
「葉山!話し込んでるとこ悪いが日向が来てんだ。こっちを優先しろ」
佐野先輩かっこいい〜!
さすがです〜!!
そして気付いた先輩。
「………あ、日向か」
え、何その反応。
「お前、どうした?その反応」
佐野先輩が変わりに言ってくれた。
「へ…?」
「廉、とりあえず切り替えろ」
兄ちゃんにそう言われて
先輩はハッとしていつもの調子に戻った。
「どうしたの!?教室まで迎えに来てくれるなんて初めてじゃない??」
「……」
え、。
先輩のわざとらしい変わり加減に
引っかかってイラッとした。
さっきの態度なに?
なんでそんな上の空なの?
どうせ兄ちゃんには
今何があったか話してたんでしょ?
あたしにも教えてよ、。
不安になるじゃん。
「日向?」
「…い、いえ迎えに来たわけじゃないです。今日は岬とヒメと遊ぶから帰れないって言おうと思っただけです、」
「そっか!わかった。危ないから二人に送ってもらうんだよ。テストはどうだった?」
「わかりました…。テストは先輩のおかげで手応えありです。…ありがとうございました、」
「よかった〜。約束覚えてる?」
「………覚えてますよ、」
「そか、ええっと、また明日迎えに行くよ」
「はぃ、じゃあまた…」
あたしはそのまま振り返って
早歩きでその場を後にした。
先輩のバカ。
何度も何度もそう思いながら
逃げるように走った。