スキ*キライ【1】
いまにも泣き出しそうな顔をしてる
長い黒髪を二つに結んでる眼鏡女子。
「あ、ほら!大丈夫っ!おにぎりは無事だから」
ラップに包んでたおにぎりは
なんとか無事で食べれそうだ。
「で、でも…」
「いいよ。あたしも悪かったんだし」
そういってあたしはおかずを拾う。
「わ、私がしますっ」
「汚れるからいいよ」
「え!でも、私…」
あたしはたんたんとおかずを片付けた。
「岬ごめんー、手洗ってくるから先に食堂行っててー」
岬にそういうとあたしは手洗い場に向かう。
「あのっ」
「え?」
眼鏡女子に呼び止められ振り返る。
「本当にごめんなさい!なにか…奢ります!」
「え!?いいよいいよ!そんなの!」
「でも!」
「ほんとにほんとに!今回はお互いの不注意ということで!」
そう言うと眼鏡女子は少し俯いて
「ありがとう…ございます」
お弁当くらいでそんなに重たく考えなく
ても…。
あたしは少し苦笑いした。