スキ*キライ【1】
「兄ちゃん!!」
「よぉ、妹」
先輩を無視して一緒にいた兄に話しかけるあたしは
決してブラコンではない。
あ、そだ。
「おかず貰うね」
「はっ!?」
兄のおかずを勝手に奪い、岬に渡した。
「わーい!日向兄感謝っ」
「まじかよ」
そういって隣の席に座る兄とおまけの先輩。
「あたしもおにぎりだけだしいいじゃん」
「日向、なんでおにぎりだけなの?」
「あーまぁいろいろあったんですよ」
「葉山っ、日向ってば超優しいだぜ?」
ニヤニヤ楽しげに岬がそういうと先輩は
「知ってるよ」
と少し笑った。
なに、それ…。
「ぶつかられた上におかずぶちまけられたのに許しちゃってさっ」
「ふーん。意外だな、妹」
「うるさいな、兄」