スキ*キライ【1】





『本気の恋がどんなのか』

『俺が教えてやるよ』

『だから俺と付き合えよ』

佐野の低い声と

『……ちょっと考えさせてほしい』

日向の迷いのある。

本当は盗み見や盗み聞きとかするつもりなかった。

でも日向が遅くてまたなにかされてないか心配で
日向の匂いをおっかけて屋上に行ったら
そう話してる二人がいた。

聞いた途端いろんな想いが駆け巡った。

“日向が誰かのものになる”

そんなこと今までにもあった。

今までの男は日向の身体目当てだったりで。

日向がそんな野郎と付き合うたびに
オレはなんで?って思ってたけど
それでも付き合う期間がいつも短いからまだ安心してた。

それと違って

佐野は日向のことが本気でスキみたいだ。

日向が付き合うと言ってしまったら
オレはどうしたらいい?

勝てる気がしない。




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