スキ*キライ【1】
日向side
「日向ー、葉山きてるよ」
「え!?」
あたしは走って先輩のとこへ行く。
「日向?」
「あ…いや、こんにちは、先輩」
朝来なかったことを気にしないふりして
実は気にしていたあたし。
なんかあった訳じゃなさそうだな…。
………。
なに心配なんかしてんのー、あたし…!
もー!!しっかりしなきゃ!
「よ、用件はなんですか?」
「んー日向に会いたくなって」
さらっと恥ずかしいことを言ってニコッと笑う先輩。
うー…。
なんだか発言が不意討ちでジワジワと顔が赤くなる。
先輩の素直さには本当呆れる…。
「やめてくださいよっ!てかもうチャイムなりますよ!!」
「え?」
キーンコーンカーンコーン
「うわっやべー」
「じゃあ、失礼します先輩」
「おお。じゃーな!」
去っていく先輩の背中を
あたしはただぼーっと見つめていた。