スキ*キライ【1】







「いっ…たぁ!!」

終わったと思ったら痛みが増してきた。

しゃがみこむあたしに先輩は近づいてきた。

「日向…ごめん…オレ…」

申し訳なさそうな顔をして謝ってくる先輩。

先輩はなにもわるくないよ。

わかってるけど生意気なあたしは

「今度はもっと早くきてよね!」

こんなことしか言えなかった。

「ごめん…。ほんとごめん…」

先輩もしゃがんであたしと同じ目線になった。

罪悪感でいっぱいといった目でじっと見つめてくる先輩。

あたしは思わず逸らす。

なにずっと見てんの!

そして今度は、あたしの頬に右手をあててきた。

突然すぎてビクッとなる。

「口、切れてる…」

そう言ってつーっと親指で唇の端をなぞる。

ドキッ…

「あ、あたしは大丈夫…!それより委員長…!」





< 37 / 201 >

この作品をシェア

pagetop