スキ*キライ【1】
「いっ…たぁ!!」
終わったと思ったら痛みが増してきた。
しゃがみこむあたしに先輩は近づいてきた。
「日向…ごめん…オレ…」
申し訳なさそうな顔をして謝ってくる先輩。
先輩はなにもわるくないよ。
わかってるけど生意気なあたしは
「今度はもっと早くきてよね!」
こんなことしか言えなかった。
「ごめん…。ほんとごめん…」
先輩もしゃがんであたしと同じ目線になった。
罪悪感でいっぱいといった目でじっと見つめてくる先輩。
あたしは思わず逸らす。
なにずっと見てんの!
そして今度は、あたしの頬に右手をあててきた。
突然すぎてビクッとなる。
「口、切れてる…」
そう言ってつーっと親指で唇の端をなぞる。
ドキッ…
「あ、あたしは大丈夫…!それより委員長…!」