スキ*キライ【1】
「日向ー」
「……」
「そんなに怒るなよー」
「……」
なんでいっつも……!!
朝からイライラさせないでよ…
笑顔を振り撒きながら無言で歩くあたしと、困った顔でペチャクチャ喋る先輩。
「はぁ…」
呆れてため息しか出ない。
やっと教室の前までつくと、
「日向おはよーさんっ♪」
よく見慣れた女の子が教室から出てきて挨拶してきた。
モデル体形、ちょっとメイクはギャルっぽいけど、キレイ系に入る容姿をしている彼女は、中村岬。
あたしの中学の時からの親友だ。
「あ、葉山もいるじゃん!またつけられたのー?」
そういって岬は少し小馬鹿にしたように笑った。
「もうなんとかしてよー、なにいってもついてくるんだけど!このストーカー」
嫌みったらしく先輩の顔をみながら言うあたし。
心の中であっかんべー!までしてやった!
それなのに
「また帰りも来る!」
先輩は笑顔を崩さずそういって、あたしたちの前から去っていった。