スキ*キライ【1】
「あ、待って!オレも行く」
部屋の外に出るとやっぱりついてきた先輩。
「先輩も部屋にいてくださいよ!」
ついて来られるとかウザい。
「いいよ。傷口洗いに行くつもりだし」
「そうですか」
「熱、下がった?」
「はい。寝たら良くなりましたよ」
あたしは階段を下りていく。
その時っ!
ダン…!
「わ…」
うそ!?
階段踏み外した!!
「日向!?」
落ちる!!!
あたしは反射的に目を閉じた。
ドーーーンッ!!!
「い、いた……く、ない…」
え、でも確かに落ちたはず…。
あたしはゆっくり目を開ける…。
「!!!」
驚いた…!
「先輩…!?」
あたしの下敷きになってる先輩。
え?先輩かばってくれたの…?
「いててて…本当に熱下がってるの?怪我してない?」
痛いはずなのに優しく微笑む先輩。
ドクン…
鼓動が凄い速さで脈打つ。
「は、はぃ…」
あたし…どうしたのかな…。
おかしい…。
それから少し先輩を見つめてぼーっとしてしまってた。
「ひ、日向?」
「…はぃ」
「……お母さん見てる…」