スキ*キライ【1】
佐野先輩が行ってしまって
目線を感じたあたしは振り向いた。
「先輩ももうチャイムなりますよ?」
「いいなぁ、電話。オレも日向と電話したいなぁ」
子犬のような目で見てくる先輩。
「あたしに好かれたかったらもっと自分磨きしたらどうですか」
「例えば?」
冗談でいったのに真剣に聞き返してきよったな。
「し、知りませんよ!雑誌とか見て研究してください!」
今の先輩は本当にごく普通。
背が高いのはいいけど
ちょっと長い黒髪で
目なんか前髪で若干隠れて見にくいし。
制服は着崩してる訳でもなく
キッチリ着てるし…。
これで眼鏡かけてたら
“まじめな優等生”だよねー。
「分かった!オレちゃんと研究する!」
えらく気合いが入ってるな。
「はいはい。頑張って下さーい」
まぁ期待はしない(笑)