スキ*キライ【1】
目線を上げると、厳つい兄ちゃんが立ってた。
「一人?」
「なら俺と遊ぼうぜ」
あたしの二番目に嫌いなもの
それがこの“ナンパ”だ。
「………」
意地でも無視を通してやる。
「聞いてんのか?ぁ゙あ゙?」
厳つすぎるだろー…。
ちょっぴり怖いじゃんかー…!
「まぁいいや。ついてきて?」
突然腕をきつく握られた。
「はっ?ちょ!」
「おっ。喋れんじゃん」
「なにすんのよ!!離しなさいよっ」
「顔のわりに口のわりぃ女だな」
「うるさい!早くその汚い手離して!!」
うわーん!
これだから嫌なのよ!!
……こういう時になんでいないの、先輩。
…………ってなんであのストーカー先輩出てくんのよ!!
そんな場合じゃないでしょーが!
そう思ってると
「おい」
今度は聞き覚えのある声が聞こえてきた。