男嫌いのプリンセス
「あれー?みりいちゃんじゃん!!」
……え?
下を向いていた顔を上げると、
「っ!!」
お、男の子ーーっ!!
「あ、あのっ…」
「かーわいいっ!!ね、今からどっか行かない?授業サボってさ!」
いやあぁぁっ
「む、ムムムリです!!」
「キョドっちゃって、可愛いなぁ」
可愛くないし、帰らせて下さいっ!!
すると、この男の子は私の腕を掴むと、どこかに連れていこうとした
「や、やだっ…!!」
「大丈夫大丈夫、怖くないから」
すでに怖いよっ!!
「はな、してっ」
海都
海都っ
グイッ
ふわっと後ろに引っ張られて、その反動で掴まれていた腕が離された
「た、高原っ…!!」
え…?
海都?
首だけ振り返ってみると、さっきまで晴紀くんと話していたはずの海都がいた
「か、海都ぉっ…」
海都を見た瞬間、安心感が私を埋め尽くした
抱きついた私の頭を撫でてくれる海都
……あれ?
いつもなら、大丈夫かって言って撫でてくれるのに、今は何も言わなかった